HOME ≫ 症状別から探す:神経痛 ≫ 低気圧で頭痛が起こるのはなぜ?|原因・対処法・市販薬と受診の目安

医心堂ブログ

低気圧で頭痛が起こるのはなぜ?|原因・対処法・市販薬と受診の目安

低気圧で頭痛イメージ

雨の日や台風前になると、頭がズキズキする、重くなる、吐き気が出る。そんな頭痛に悩まされていませんか。

こうした頭痛は「気象病」「天気痛」と呼ばれることがありますが、正式な診断名ではありません。天候の変化は、片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛を誘発する要因の一つです。

この記事では、低気圧と頭痛の関係、片頭痛や緊張型頭痛の特徴、今日からできる対策、市販薬の注意点、漢方で見る体質の違い、医療機関を受診する目安を解説します。

この記事はこんな方におすすめです
  • 雨の日や台風前に頭痛が起こりやすい方
  • 低気圧と頭痛の関係や対処法を知りたい方
  • 市販薬だけでなく、漢方や体質の見方も知りたい方

1.低気圧で頭痛が起こるのはなぜ?

低気圧のときに頭痛が起こりやすくなる理由は、まだ完全には解明されていません。ただし、気圧の変化と片頭痛発作には一定の関連があることが報告されており、その背景にある仕組みについても研究が進められています。

気圧の変化と片頭痛発作には関連がある

気圧の変化と片頭痛の発作に関係があることは、複数のデータをまとめた医学論文でも報告されています。一方で、どの程度の気圧変化で症状が出るかには個人差があり、気圧だけで片頭痛の発症を一律に予測することはできません。※2

三叉神経や内耳の関与が研究されている

片頭痛では、頭部の痛みを伝える三叉神経血管系が、発作時の痛みの発生に関与しています。気圧の変化がこの三叉神経血管系に影響する可能性が示されているほか、内耳が気圧の変化を感知し、神経系を介して頭痛に影響する可能性も示唆されています。※3

2.低気圧と重なる頭痛の特徴と対処法

同じ「低気圧の日の頭痛」でも、痛み方や必要な対応は異なります。また、天候だけでなく、睡眠不足や疲労などが頭痛と重なっていないかも確認します。まずは症状の特徴を確認し、それに合わせて対処します。

頭痛の特徴 確認したいこと
ズキズキする、吐き気がある、光や音がつらい 片頭痛の特徴と重なるか
締めつけられる、首・肩がこる 緊張型頭痛の特徴と重なるか
突然の激痛、しびれ、発熱、急な悪化 低気圧と決めつけず 受診を優先する

片頭痛では刺激を減らして休む

片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛みが出やすく、歩行や階段昇降などの日常動作で痛みが強くなるのが特徴です。吐き気や嘔吐、光・音への過敏を伴うこともあります。

こうした症状が出ているときは、明るい画面や大きな音、強いにおいなどの刺激を減らし、落ち着いて休める環境を整えます。仕事や家事を続けるときも、画面の明るさを下げる、休憩を入れる、静かな場所に移動するなど、負担を減らします。

締めつけるような痛みでは首・肩の状態も確認する

緊張型頭痛は、頭を締めつけられるような圧迫感や重さが特徴です。片頭痛と比べて、歩行や階段昇降などの日常動作で悪化しにくく、首や肩のこりもみられます。

長時間のデスクワーク、同じ姿勢、目の疲れ、緊張が続いた日は、天候だけでなく首・肩の状態も振り返ります。低気圧に加えて、仕事の忙しさや長時間の同じ姿勢が重なると、頭痛が強く出ることもあります。

予兆に気づいたら休憩し、記録を残す

片頭痛では、頭痛の前に眠気、疲労感、集中力の低下、首のこりなどの「予兆」がみられることがあります。こうした予兆は、視界にギザギザした光が見えるなどの「前兆(アウラ)」とは別の症状です。

予兆に気づいたら、予定に余裕を持たせ、休憩時間を確保します。頭痛ダイアリーには、頭痛が起きた日時、痛み方、吐き気や光・音への過敏、天候、睡眠、薬を使った日を簡単に記録します。記録があると、受診時にも症状の経過を伝えやすくなります。

3.漢方で見る低気圧頭痛の3タイプ

漢方では、頭痛の痛み方だけでなく、冷え、めまい、むくみ、胃腸の状態、首・肩のこりなども確認します。同じ低気圧の日の頭痛でも、体調によって考え方や処方は変わります。

体質タイプは相談の手がかりです

以下は自己判断で漢方薬を選ぶための分類ではなく、相談時に体調を整理するための目安です。

頭が重く、めまいやむくみが気になるタイプ

雨や台風前に頭が重い、めまいやふらつきが出る、胃腸が弱い、むくみが気になるときは、漢方で「水」の偏りがないかも確認します。

このタイプでは、半夏白朮天麻湯や五苓散などが選択肢として検討されます。半夏白朮天麻湯は、胃腸が弱く下肢が冷える方の頭痛、頭重、立ちくらみ、めまいなどに用いられます。五苓散は、のどの渇きや尿量の少なさがあり、めまい、吐き気、頭痛、むくみなどを伴う状態で検討される処方です。※4 頭痛だけでなく、めまいやむくみ、胃腸の状態も処方を選ぶ手がかりになります。

冷えと吐き気を伴いやすいタイプ

手足が冷えやすく、頭痛と一緒に吐き気が出る、目の奥まで痛む、肩こりも気になるといった状態では、冷えとの関係を確認します。

このタイプでは、呉茱萸湯などが選択肢として検討されます。呉茱萸湯は、手足が冷えやすい体質の習慣性偏頭痛・習慣性頭痛などに用いられる漢方薬です。※5 頭痛だけでなく、冷えや吐き気なども処方を選ぶ手がかりになります。

首・肩のこりが強いタイプ

長時間のデスクワークや緊張が続き、首から肩、後頭部にかけてこりや重さが出るときは、こりの強さや姿勢、作業時間との関係も確認します。

このタイプでは、葛根湯などが選択肢として検討されます。葛根湯は頭痛や肩こりなどが効能に含まれます。※6 ただし、体力や症状によって適否が変わるため、「肩がこる頭痛だから葛根湯」と一律には決められません。全身の状態も処方を選ぶ判断材料になります。

漢方では、頭痛だけを切り離して考えません。冷え、めまい、むくみ、胃腸の状態、生理との関係、睡眠なども一緒に確認し、どの症状が重なっているかを整理します。

慢性頭痛の漢方相談ページ

4.市販薬と受診の目安

市販薬で対処するときは、成分だけでなく使用日数も確認します。また、突然の激しい頭痛やしびれなど、いつもと違う症状があるときは受診を優先します。

市販薬は成分と使用日数を確認する

市販の頭痛薬には、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ロキソプロフェンなどを含む製品があります。どの成分が適しているかは、年齢、持病、妊娠・授乳の有無、アレルギー、併用している薬などによって異なります。

市販薬を使用するときは、添付文書の用法・用量、「してはいけないこと」「相談すること」を確認します。薬の選び方に迷う場合は、現在使っている薬や持病を伝えたうえで、薬剤師や登録販売者に相談してください。

頭痛治療薬を使う日が増えると、「薬剤の使用過多による頭痛」につながります。診断基準では、頭痛が月15日以上あり、急性期または対症的な頭痛治療薬を3か月を超えて定期的に過剰使用している状態などが示されています。薬の種類によっては月10日以上、または月15日以上の使用が目安になります。※7

いつもと違う頭痛は医療機関を優先する

症状 対応の目安
突然の激しい頭痛 119番通報を含めて速やかに対応※1
麻痺・しびれ、ろれつが回らない、急な視覚異常 119番通報を含めて速やかに対応※1
これまで経験したことのない強い頭痛 速やかに受診※8
発熱を伴う頭痛、数週間で悪化する頭痛 医療機関で確認※8

受診時に伝えたいこと

  • いつから始まり、どのくらいの頻度で起こるか
  • 痛む場所と、ズキズキ・締めつけられるなどの痛み方
  • 吐き気、光・音への過敏、めまい、しびれ、発熱の有無
  • 使っている薬の名前、使用回数、効き方
  • 天候、睡眠、食事、疲労など頭痛の前後に重なったこと

5.初めての漢方相談で準備したいこと

医療機関で緊急性や治療が必要な状態を確認したうえで、漢方相談では、冷え、めまい、胃腸の状態、睡眠、首・肩のこりなど、頭痛と一緒に出やすい体調の変化を整理します。

事前に詳しくまとめる必要はありません。次の3点をメモしておくと、症状や経過を伝えやすくなります。

話しやすくなる3行メモ

1
いちばん困っている症状
例:雨の日のズキズキした頭痛/頭が重い/吐き気がある
2
頭痛が出やすいタイミング
例:台風前/寝不足の日/首・肩のこりが強い日
3
今使っている薬やケア
例:市販の頭痛薬/病院の処方薬/漢方薬/サプリメント

頭痛ダイアリーやお薬手帳がある場合は、相談時に持参すると経過を伝えやすくなります。

6.まとめ

低気圧の日に頭痛が出るときは、天候だけで判断せず、痛み方や一緒に出る症状、睡眠、疲労、食事、薬の使用状況まで確認することが大切です。頭痛が起きた日の条件を記録すると、自分の頭痛がどのようなときに出やすいのかを整理できます。

一方で、突然の激しい頭痛や手足のしびれ、ろれつが回らないなど、いつもと違う症状があるときは医療機関を優先してください。頭痛を繰り返す場合や、市販薬を使う日が増えている場合も、自己判断だけで対処を続けず、現在の状態を一度確認しましょう。

1
頭痛が出た日の条件を記録する
痛み方、天候、睡眠、疲労などを簡単に残し、重なりやすい条件を確認します。
2
使っている薬と使用日数を確認する
市販薬や処方薬の名前、使った日数、効き方がわかるようにしておきましょう。
3
いつもと違う頭痛は受診を優先する
突然の激痛やしびれなどがあるときは、低気圧のせいと決めつけず医療機関を優先します。

頭痛薬で一時的に落ち着いても、雨の日や台風前になると頭痛を繰り返す方は、症状の出方と体調の変化を一度整理してみませんか。

医心堂薬局では、現在の治療内容や使用している薬を確認しながら、冷え、めまい、胃腸の状態、睡眠、首・肩のこりなどを伺い、体質に合う漢方薬を一緒に考えます。

漢方相談のお申し込みはこちら
参考資料・出典