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腎臓病
腎臓病
腎臓は、血液をろ過して尿を作り、体内の老廃物を体外に排出する重要な臓器です。
健康な人の場合、赤血球やタンパク質はろ過されずに、きれいになった血液が腎臓から体に戻されます。
このろ過機能が低下し、尿中に赤血球やタンパク質が多く排出される状態になると、腎臓病の可能性が高まります。
腎臓病は自覚症状がないことが多く、健康診断で偶然発見されることも少なくありません。
腎臓病の指標:クレアチニンと eGFR
腎臓の機能を知る上で重要な指標となるのが、血液中のクレアチニンと、それをもとに算出される ** 推算糸球体ろ過量(eGFR)** です。クレアチニンは筋肉の活動によって作られる老廃物で、腎臓の働きが低下すると血液中に蓄積されます。 eGFR は、このクレアチニンの値や年齢、性別などから腎臓がどの程度血液をろ過できているかを推定する値で、腎臓の機能を表す重要な指標となります。eGFR の値が低いほど、腎臓の機能が低下していることを示します。
腎臓病のサインと早期発見の重要性
「むくみ」「夜間尿」「だるさ」「貧血」「かゆみ」などが長く続く場合は、一度検査を受けることをお勧めします。
腎臓は二つあるうちの一つがなくなっても機能が維持できるほど予備能力が高い臓器ですが、一度機能が低下すると回復が難しい特性があります。そのため、人工透析が必要となる方も増えています。早期発見と適切な治療が、腎臓病の進行を遅らせるために非常に重要です。

漢方では!
漢方では人間の体を「気」「血」「水」という 3 要素で構成されていると考えていて、腎臓病は「水」の代謝が滞ることで進行すると考えて治療していきます。
ただストレスや緊張が強いと「気」が滞って「水」の代謝に影響するため「気」の滞りを良くする漢方を併用したり、冷えや血流が悪いなど「血」の流れが悪い方には血行を促す生薬を使って治療していきます。また西洋医学の利尿剤、ステロイド剤と併用することで利尿剤、ステロイド剤の効果をサポートするように働いてくれます。
一般的によく使われる漢方薬としては

柴苓湯
(さいれいとう)
腎臓病というだけで最初に使われる 代表的な処方です。むくみやだるさがある方に使うことが多いのですが、症状がなく蛋白尿やクレアチニンなどの検査数値が悪い場合にも第一選択薬として使われる漢方薬です。
八味地黄丸
(はちみじおうがん)
腎虚(じんきょ)といって五臓六腑の腎(じん)の働きが落ちている場合に使われます。症状として下半身の冷えやむくみや夜間の頻尿、口渇のある方の腎臓病に使います。年配の方や糖尿病が進行して腎臓に症状が出てきた方に使うことが多い処方です。
桂枝茯苓丸
(けいしぶくりょうがん)
慢性に経過している腎臓病で血流が悪い、顔色が悪い、あざや内出血を起しやすい方の腎臓病に使います。微小血管という細い血管の毛流を改善する働きがあります。他の漢方薬と併用しても相性が良いので利尿作用のある漢方薬と組み合わせて使うことが多いです。
十全大補湯
(じゅうぜんだいほとう)
全身倦怠感や貧血傾向、風邪をひきやすいなどの免疫低下など症状がある方に使います。むくみや夜間尿など水分代謝が悪い場合は利尿作用のある漢方薬と併用して服用します。「気」と「血」の両方を補うことで体力を補完し腎臓病の進行を防ぐ働きがあります。
当店での治療法
一度低下した腎機能を回復するのは西洋医学でも漢方薬でも難しいと言われています。ただ腎臓病が増えてきている背景には食事、睡眠、運動不足、ストレスなどの日常生活の乱れが大きく関与していることは疑いのないことだと思います。

当店では腎臓の働きを助けるとともに腎臓にかかる負担を軽減するような漢方薬を調合しながら食事を初めとする日常生活での養生をアドバイスさせていただきます。
eGFR、クレアチニンといった腎機能の数値が悪い、人工透析が心配という方はお気軽にご相談ください。
