HOME ≫ 症状別から探す:婦人科疾患 ≫ PMSに漢方は使える?|生理前のイライラ・頭痛・むくみを体質から考える

医心堂ブログ

PMSに漢方は使える?|生理前のイライラ・頭痛・むくみを体質から考える

PMSに漢方は使える?|生理前のイライラ・頭痛・むくみを体質から考える

生理の1週間ほど前になると、ささいなことでイライラする、頭が重い、顔や脚がむくむ。生理が始まると楽になるのに、翌月もまた同じことをくり返す。そんなつらさを感じていませんか?

生理前に起こり、生理が始まると軽くなる心身の不調は、PMS(月経前症候群)と呼ばれます。生理の3~10日ほど前から症状が出るのが特徴です。※1「毎月のことだから」と我慢している方も少なくありませんが、症状の出方と体質を整理すると、整え方の方向が見えてきます。

この記事では、PMSの特徴と記録のつけ方、漢方で考える3つの体質タイプ、生理前を過ごしやすくする養生、医療機関を受診する目安をお伝えします。

この記事はこんな方におすすめです
  • 生理前のイライラ・頭痛・むくみを毎月くり返している方
  • 市販薬で様子を見ているが、体質から見直したい方
  • 漢方相談と婦人科の受診をどう使い分ければよいか迷っている方

1.PMSとはどんな状態?

PMSの症状は人によってさまざまで、心と体の両方に現れ、代表的なものには次のような症状があります。※2

心の症状体の症状
イライラする、怒りっぽくなる頭痛、頭が重い
気分が落ち込む、不安になる顔や手足のむくみ
気分の波が大きくなる胸の張りや痛み
集中しにくい、疲れやすい下腹部の張り、腰痛

生理が始まると軽くなるかを確かめる

PMSを見分ける手がかりは、症状が出る「時期」です。生理前に強くなり、生理が始まると軽くなる。この波が毎周期くり返されるかを確認します。

生理が終わっても症状が続く場合は、もともとある不調が生理前に強まる「月経前増悪」など、PMS以外の原因も考えられます。その場合は、医療機関で一度確認しておきましょう。※2

症状のない日も含めて記録する

日本産科婦人科学会の指針でも、2周期にわたって毎日の症状を記録し、生理周期との関係を確かめることが勧められています。専用の用紙でなくても、スマホの月経管理アプリや簡単なメモで十分です。※2

毎日の記録に残したいこと
生理が始まった日と、出血のあった日
その日の症状と強さ(なし・軽い・中くらい・強い など)
仕事・家事・睡眠への影響

調子のよい日も記録しておくと、症状が出る時期との違いがはっきりします。2~3周期続けると、「生理の何日前から始まるか」「どの症状がいちばんつらいか」が見えてきます。症状が強くてつらいときは、記録がそろうのを待たずに受診してください。

2.漢方で考えるPMSの3つの体質タイプ

西洋医学では、PMSには生理周期に伴う女性ホルモンの変動が関わると考えられています。漢方では、心身の働きを支える「気(き)」、体を養う「血(けつ)」、体内の水分にあたる「水(すい)」の巡りから体の状態を見ていきます。気の巡りが滞る「気滞(きたい)」、血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」、水分の巡りが乱れる「水滞(すいたい)」の3つが、生理前の不調を読み解く手がかりです。

体質タイプは相談の手がかりです

以下のタイプは、自己判断で漢方薬を選ぶためではなく、相談時にご自身の状態を整理するための目安として見てください。実際には複数のタイプが重なっていることも多く、体力や胃腸の状態、服用中の薬などによって、合う処方は人それぞれです。

なお、学会指針によると、PMS・PMDDという病名を直接の承認効能とする漢方製剤はなく、「血の道症」「神経症」などの効能にもとづいて処方されています。漢方薬は、体質や症状に合わせて選ぶ治療の選択肢として、産婦人科でも広く用いられています。※2医師や薬剤師と相談しながらご自身に合う処方を選び、症状の変化を確かめていくことが大切です。

イライラや胸の張りが強いタイプ(気滞)

生理前になると怒りっぽくなる、胸が張って痛む、ため息が増える、寝つきが悪い。ストレスや緊張が続くと気の巡りが滞り、こうした症状が出やすくなると考えます。

このタイプの選択肢となるのが、加味逍遙散(かみしょうようさん)や抑肝散(よくかんさん)です。加味逍遙散は気と血の両方の巡りを整える処方で、体力中等度以下で疲れやすく、のぼせや肩こりがあり、イライラや不安を感じやすい方の月経不順や血の道症などに用いられます。※3抑肝散は、神経が高ぶって怒りやすい方のイライラや不眠などに用いられる処方です。※4どちらも、産婦人科でPMSの治療によく使われています。※2

下腹部の張りや生理痛が気になるタイプ(瘀血)

生理前に下腹部が張る、便秘がちになる、生理痛が強い、経血に塊が混じる、肩こりや頭痛が出やすい。漢方では、こうした症状や経血の様子を、血の巡りが滞った「瘀血」を考える手がかりにします。

このタイプで代表的なのが、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)です。体力中等度以上で、のぼせて便秘しがちな方の月経不順や月経痛、月経時の精神不安などに用いられます。※5

むくみや頭の重さが出やすいタイプ(水滞)

生理前に顔や脚がむくむ、頭が重い、体がだるい、雨の日に不調が強まる。漢方では、こうした症状を、水分の巡りが乱れた「水滞」の視点から捉えることがあります。

むくみが目立つ場合は、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や五苓散(ごれいさん)などが候補に挙がります。当帰芍薬散は、冷え症で貧血の傾向があり、疲れやすい方の月経不順やむくみなどに用いられ、産婦人科でもPMSによく使われる処方です。※2※6五苓散は、のどが渇くのに尿の量が少なく、頭痛やむくみを伴うときに用いられます。※7

また、タイプとは別に、お腹の張りや痛みが目立つ場合は、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)でお腹の症状から整えることもあります。体力中等度以下で、お腹が張って痛む方などに用いられる処方です。※8

漢方では、PMSの症状だけを切り離して見ることはしません。冷え、胃腸の状態、睡眠、生理痛や経血の様子なども一緒に伺い、その方に合う生薬を組み合わせるのが基本です。医心堂薬局では、一人ひとりの体質に合わせて調合した煎じ薬をお作りしています。

PMS(生理前症候群)の漢方相談ページ

3.生理前を過ごしやすくする養生

医心堂では「一に養生、二に漢方」を大切にしています。規則正しい睡眠、バランスのよい食事、適度な運動、リラックスする習慣は、PMSの対策として医療機関でも勧められているものです。※2養生は日々の体調を整える土台になります。ご自身の体調や生活リズムに合わせて、続けられそうなものから一つずつ取り入れてみてください。

生理前の過ごし方 見直しポイント
症状が出やすい時期に、予定や残業を詰め込んでいないか
入浴など、リラックスできる時間を持てているか
塩辛いもの、甘いもの、カフェインをとりすぎていないか
体を動かす時間が少なくなっていないか

症状が出やすい時期は予定にゆとりを持つ

記録で症状が出やすい時期がわかったら、その期間は大事な予定や残業をできるだけ減らし、睡眠時間を確保しましょう。「この時期はつらくなりやすい」とわかっているだけでも、気持ちにゆとりが生まれます。

湯船に浸かって、ほっとする時間をつくる

シャワーで済ませることが多い方は、ぬるめのお湯に浸かる日をつくってみましょう。体が温まると緊張がほぐれ、ゆったりした気持ちで過ごしやすくなります。冷房で体が冷えやすい季節は、お腹や腰を冷やさない服装も心がけてください。

塩分・甘いもの・カフェインは控えめに

むくみが気になるときは、塩分の多い食事が続いていないか振り返ってみてください。生理前は甘いものが欲しくなりがちですが、食事代わりにはせず、量や回数を控えめにしておくと安心です。コーヒーや緑茶などのカフェインも、とりすぎないようにしましょう。※2

冷たい飲み物でお腹が冷えやすい方は、常温や温かい飲み物に替えてみてください。

軽く体を動かす

ウォーキングやストレッチ、ヨガなどで体を動かすと、気分転換にもなります。夕食後の散歩など、気持ちよく続けられる範囲で取り入れてください。

4.医療機関を優先したいサインと薬の注意点

生理前の不調でも、症状の強さや出方によっては、漢方相談より先に医療機関で確認した方がよい場合があります。

症状・状況対応の目安
気分の落ち込みやイライラが強く、仕事や人間関係に大きな支障が出ている早めに受診
婦人科、精神科・心療内科
生理が終わっても症状が続く、生理と関係なく症状がある早めに受診
婦人科などで原因を確認
不正出血がある、下腹部の痛みが続く早めに受診
婦人科
突然の激しい下腹部痛、大量の出血、意識が遠のくすぐに受診
救急外来・119番
自分を傷つけたい気持ちがあるすぐに相談
医療機関へ。一人で抱えず、身近な人にも助けを求める

心の症状が特に強い場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあり、婦人科と精神科・心療内科が連携して治療を進めることがあります。※9静岡市内の婦人科は、静岡市静岡医師会の医療施設検索で探せます。※10

市販薬や漢方薬を使うときは服用中の薬を伝える

頭痛に鎮痛薬を使う場合や、市販の漢方薬を試す場合は、購入時に薬剤師や登録販売者へ、今飲んでいる薬やサプリメントを伝えてください。お薬手帳を見せると確実です。

漢方薬同士を組み合わせると、同じ生薬が重なることがあります。また、甘草(かんぞう)を含む漢方薬で気をつけたいのが、むくみや血圧の上昇、脱力感などを伴う「偽アルドステロン症」です。決められた量を守っていても起こることがあるため、服用後にこうした変化に気づいたら、服用を中止して医師や薬剤師に相談してください。※2妊娠中・妊娠の可能性がある方、授乳中の方、持病のある方、婦人科などで治療中の方は、使用前に医師や薬剤師に相談しましょう。

5.まとめ・無料相談のご案内

生理前の不調も、症状が出る時期と体質を整理すれば、漢方での整え方や生活で見直すポイントがわかってきます。大切なのは、気・血・水の巡りから体全体を見て、冷えや胃腸、睡眠まで含めて整えていくことです。症状が強いときや、生理が終わっても続くときは、医療機関での確認を優先してください。

1
2~3周期、症状を記録する
生理が始まった日と症状の強さ、生活への影響を簡単に残しておきましょう。調子のよい日も書いておくと比べやすくなります。
2
養生を一つ始める
湯船に浸かる、生理前の予定を減らす、塩分やカフェインを控えるなど、続けられることから始めてみてください。
3
気になるタイプがあれば相談する
記録とお薬手帳があれば、今の体の状態を整理しやすくなります。

話しやすくなる3行メモ

相談の前に、次の3つを書き出しておくと、お話の軸が決まります。紙でもスマホのメモでも構いません。

1
いちばん困っている症状と生活への影響
例:生理前にイライラして家族と言い争ってしまう/頭痛で仕事に集中できない
2
症状が始まる時期と軽くなる時期
例:生理の1週間前から始まり、生理が来ると軽くなる
3
今使っている薬や受けている治療
例:市販の鎮痛薬/低用量ピル/サプリメント/婦人科に通院中

医心堂薬局は、静岡駅から徒歩5分の漢方薬局です。30年以上にわたり、一人ひとりのお悩みに寄り添った漢方相談を行ってきました。お話をじっくり伺うため予約制で、初めての方は1時間ほどが目安です。ご予約はお電話またはLINEからどうぞ。土曜・日曜も営業しており(祝日・臨時休業日を除く)、遠方の方にはお電話でのご相談と漢方薬の発送にも対応しています。

生理前になると毎月同じ不調をくり返すという方は、一度、症状の出方と体質を整理してみませんか。

医心堂薬局では、生理の周期や冷え、胃腸の状態、睡眠、服用中のお薬などを伺いながら、体質に合う漢方薬と養生の進め方を一緒に考えます。まずは無料相談をご利用ください。

無料相談のお申し込みはこちら
参考資料・出典